9月に入り立秋が過ぎると暑中見舞いが残暑見舞いに変わり、暦の上では秋になります。そんな中で秋らしさを見せてくれるのがススキです。
ススキは東アジアから日本全土に広がるイネ科の植物です。夏のおわりごろから晩秋の季節まで、どこでも見られ日本の秋を演出する植物です。
かつてセイタカアワダチソウが猛威を振るっていた頃、このアメリカの花は日本のススキの縄張りを荒らし、日本を占領していましたが、今ではススキも戻ってきました。
ススキは、古く万葉の時代からうたにも出てきました。万葉集には「ススキ」の名の出る物が17首、「オバナ」19首、「カヤ」10首と多いです。
「人皆は 萩を秋という よくわれは 尾花か末(うれ)を 秋とはいはむ」万葉額しゃん愛知淑徳大学教授だった稲垣富夫先生は、「世の人は誰しも萩に秋を感ずるという。なんと言おうと私は、尾花の穂末をこそ秋を思わせる物だと言おう」と仮設されていました。やはり、日本の秋を代表する植物は昔から萩では無くススキだったのではないでしょうか。
【ススキの呼び名】
ススキを尾花と呼ぶのは初秋の頃から出る花穂が獣の尾の形に似ているために名付けられたのです。また、一般的にこの植物をカヤと呼ぶのは、夏の頃充実した茎と葉を刈り取って乾燥させ、屋根を葺くのに使い、この家屋をカヤブキと呼んだからです。
以前は茅葺きの家は田舎に行けばごく普通に見られたのですが、最近ではその景観を見ることはほとんど出来なくなってしまいました。
世界文化遺産に登録されている岐阜県白川郷の合掌の家は、すべて茅葺きです。
【ススキの園芸品種】
ススキ野とは荒れた原野に最初に育ってくるのが、ススキであったためこう名付けられたのだそうです。荒れ地・原野で育っているようなものを庭や鉢植えで鑑賞するというのはいかがなものでしょう。
ところが最近はこのススキの仲間にも色々緩衝性の高い物が登場してきました。
シマススキ
高さ2m近くなり、葉にリボンのような乳白色の縦縞が入るモノで、この縞が葉の中央部と外側に入る種類があり、とても涼しそうな感じで庭に良く似合います。
タカノハススキ
葉に黄色い横縞が段々模様に入る、とても鑑賞価値の高い種類で鉢植えや庭植えに適しています。葉の模様からトラフススキとかゼブラグラスの英名もあります。
イトススキ
葉の細い系統で高さも1mくらいです。とても繊細な感じがする中形タイプのススキです。
ヤクシマススキ
葉が細く高さもあまり高くならない物で、山野草愛好家に好まれ、専ら鉢植えでたのしみます。
シロガネヨシ
ススキに近い仲間で南米のブラジルからアルゼンチンの荒れ地・パンパに自生する大型種でパンパスグラスの名前でよく知られます。雄大な花穂を出し公園やゴルフ場などの景観にはとてもよく似合います。
ススキの仲間はこれまで庭に植えたり、鉢に植えることはほとんどなかったのですが、最近の英国風の庭園やコンテナガーデンの流行で、自然風の植栽にはススキの仲間がとてもよく似合うと今人気上昇中です。
自然風・繊細さ・風にゆらぐ風情、色々が鑑賞されています。