2020年4月24日金曜日

【コロナ対応特別企画】抹茶を飲もう!

前回の記事で「裾野が広い」と言った、茶華道業界ですが、今回はお抹茶の話をしたいと思います。

 と、言うのは今の巣ごもり環境でも気軽に和文化に触れられると思うからです。お抹茶って普段の生活ではあまり使わなくて、Nana's Green Teaで飲んだりするくらいでしょうか?冷蔵庫に入っている家庭も少ないと思います。でも、外出自粛で気分転換が出来ないこのタイミングに、是非自宅でお抹茶にも挑戦してもらいたいと思います。

良く、長く茶道をやられている諸先輩方に話を聞くと、「毎日(毎週)お抹茶を点てて飲むことが健康長寿の秘訣です。」みたいな話を良く聞きます。
良く、抹茶に含まれている成分で健康に良いと言われる物は、下記のような物があります。
  • カテキン
  • テアニン
  • ビタミンC
  • カフェイン
  • ミネラル
  • サポニン
但し、こう言った成分は劣化しやすいものばかりです。ですので、保存について細心の注意が必要になります。
 光:風味の劣化や退色
 温度・湿気:ダマになる
 臭気:臭い移り
ですので、冷暗所で保存をし、開けたら出来るだけ早く消費しきると言うのが大事になります。お抹茶を購入すると必ず銀色の袋に入っている状態になっているかと思いますが、このためです。また、一度に大量に購入する必要は無いかと思います。

普段は店舗で直接買うので、利用したことは無いのですが、今はネットでも購入することが出来るようです。送料がもったいないかも知れませんが、抹茶を最大限楽しむために、必要量ずつ購入することをお勧めします。

ちなみに、利休の時代は今のように冷蔵庫や除湿機があるわけでは無かったので、専用の容器に入れて、縁の下などの冷暗所に保管していました。この容器がずいずいずっころばしでおなじみの"茶壺"です。茶壺はお茶会でお客様に見てもらうことがほぼ無い茶道具ですが、茶壺一つとっても色々なものがあるので今度紹介したいと思います。

さて、お抹茶の買い方です。
実際にお抹茶を楽しんでもらうに当り、下のリンクは楽天アフィリエイトで出しているリンクなので購入してもらうと個人的にポイントがもらえて嬉しい感じなのですが、現時点で僕自身が収入が激減して困っているわけではないので、ご自分で気に入った物をお探し頂ければと思います。
(個人的には本当に困っている人達がこう言うツールを使って収益化してもらった方がもっと深みのある説明が出来るしより良いと思うのですが…。)

普段だと、
一保堂さんとか妙香園さんとかを使っています。一保堂さんの初昔あたり、そんなに高くなくて始めやすいかと思います。

「買ったとしても茶筅が無いからお茶を点てられないよ」と言う人がいるかもしれません。ただ、道具を揃え出すと大変かも知れないので、無ければ箸でかき混ぜても味としては変わらないと思います。もう少し本格的にやりたいな、となったら購入すれば良いのでは無いかと思います。但し、萩などの茶碗を使うとき(特に高い物)は、茶碗を傷つけてしまうかも知れないので、茶筅を使わないといけません。

また、抹茶の健康成分を摂取するだけなら、ヨーグルトやミルクに混ぜたり、料理に混ぜることも可能なのでそのような使い方も良いかも知れません。

せっかくなので、簡単なお点前の抜粋版を書いておきます。コレ通りにやる必要は無いですが、一つ一つのお点前には意味があるので、ご参考にどうぞ。
①お茶碗にお湯を注ぐ⇒お茶碗を温めつつ清める
②茶筅通し(茶筅をお茶碗の中で動かす)⇒茶筅の損傷が無いか確かめる
③お湯を捨てて、中を拭く⇒乾いていないと粉がダマになってしまう
④お茶の粉を入れる
⑤お湯を注ぐ
⑥茶筅でお茶を点てる
と言った感じです。是非、ご参考にどうぞ。

新型コロナウイルスに関わる所感

コロナの影響で音楽、映画や演劇業界がダメージを受けている、と言う話は毎日のようにニュースになっていますが、茶道・華道業界も大ダメージを受けています。
恐らく、後戻り出来ないくらい壊滅的な状態になるまでテレビに出ることは無いと思うのでちょっとずつ時間を見つけて発進していきたいと思います。
 
 うちは3月の中旬から全てのお稽古止めてますし、外に教えに行くのも他の流派も含めて花展や茶会も軒並み中止になっています。正確な情報を持ち合わせていないですが、中部地方で多分最大の華道イベントである中日いけばな芸術展(通称:中日生芸)も開催されないと思います。
 失礼を承知で言うと、茶華道の先生方は総じてITスキル低めだしそもそも年齢総お高めなのでネット見てても悲鳴は聞こえてこないと思います。しかも、花展やお茶会を通じてのアナログなお付き合いがメインの方々なので、そう言うイベントを封じられてしまうと、他の流派がどんな状況になっているかさえもよくわからなくなってしまう。そう言う業界です。役員会を開くにしても当然Zoom MTGがやれる環境にある人達はとても少ないと思います。

 茶華道それ自体が斜陽産業であることは否定しないし、裾野を広げる活動がこれまで十分だったかというと(ベンチャー企業屋さんをやっている身からすると)そうでは無いと思っているのですが、茶華道の周辺には、抹茶屋さん(妙香園とか)、お花屋さん、花器や茶碗を焼く窯元、鉄器やさん、炭屋さんなどなど、ちょっとした製造業を大きく上回っちゃうくらい裾野が広い産業?なんです。

 そして、その中には既に後継者がいない、高齢化が進んでいる、でも伝統文化を守るためにあまり儲からなくても活動している人達も多くいます。(当然儲かっている人もいるとは思いますが僕の知っている中だとそうです。)

 本業としてやっていない僕がこういうことを言うのも、本業やっている人から見るとあまり気持ちよい物ではないこともあるかも知れませんが、何か出来ることが無いかと思い、発信してみました。
これからも少しずつ何か発信していきたいなと思います。

2020年4月23日木曜日

織部のやきもの

美濃地方では平安時代より焼き物を清算していました。
そして、室町時代の後期に、瀬戸の工人達が釉薬のかかった新しい焼き物の技法を持って美濃にやってきて、釉薬を新たに開発し、引き出し黒、黄瀬戸、志野、銅緑釉などが開発され、特に志野においては日本最初の絵付けされた焼き物が生まれました。そして、桃山時代美濃において開発された技術成果が集大成された物が「織部の焼き物」です。

桃山陶のなかで、斬新なデザイン感覚で我々を魅了させてしまう「織部のやきもの」とは、「大名茶人である古田織部好みのやきもの」と言われている物です。
しかし、徳川幕府の命による古田織部の切腹によって、織部焼きの名前も桃山時代のエネルギーも消え去ってしまいました。

桃山陶を焼いた窯には、山の頂上付近に築かれた単室の大窯と山の斜面に複数の部屋を連ねた連房式登窯とがあり、黄瀬戸は大窯で焼かれた物であり、登り窯で焼かれた物は灰釉と呼び、長石釉についても、大窯の志野は、登り窯では志野織部と呼び、大窯で焼かれた銅緑釉も登り窯では織部釉と呼んでいます。

大窯において銅緑釉のものを最も早く焼いた窯は、多治見市滝呂町の日影窯であり、その後も多くのところで焼かれました。これも登り窯の元屋敷窯において織部焼となり量産され始め、こうして生まれた魅力ある織部の焼き物は大変多彩です。

織部黒
鉄釉を焼成中の窯から引出し急冷して作られる瀬戸黒の技法をゆがんだ茶碗に施した物であり、黒一色です。

黒織部
織部黒と同じ技法ですが、引出し黒釉を左右に塗り分け、余白の部分に鉄絵を描き長石釉を施した物です。

志野織部
鉄絵を描きその上に長石釉を施して焼いた物で文様が鮮明に現れています。

青織部
銅緑の織部釉を部分的に塗り分け、余白の部分に鉄絵を描き長石釉を施してあります。

鳴海織部
鉄分の入った赤土と白土とをつなぎ合わせて、赤土の部分には白土と鉄で文様を描き、白土の部分には織部釉を施してあり、織部としては最も手の込んだ技法です。

赤織部
鉄分の入った赤土のみで作られて、白土と鉄で文様を描き長石釉を施してあります。

総織部
銅緑の織部釉のみを掛け、彫り、印花などの手法が施され、器形と技法共に単純かされています。

次に、美濃に於いて織部を焼いた主な窯の特徴を紹介します。

元屋敷窯(岐阜県土岐市泉町久尻)
この窯は美濃で最初に織部を焼いた窯でアリ、織部技法を全て使い、織部の優品を焼いており、特に茶碗や向付等の茶道具類にデザインが優れた物が多い。

窯ヶ根窯(岐阜県土岐市泉町久尻)
この窯は元屋敷窯の西にあり、やや新しいが、元屋敷窯と同じように色々の技法を使って多種多様な織部を焼いていて、特に切り紙を使用して文様を付けた織部黒茶碗や、総織部のものが多く作られています。

清安寺窯(岐阜県土岐市泉町久尻)
 この窯は窯ヶ根窯の東隣にあり、窯ヶ根より新しく、ここの型打ち成形された青織部の向付は末期のものであり、寛永時代に入っています。

隠居東窯(岐阜県土岐市泉町久尻)
 この窯は元屋敷窯の東にあり、窯ヶ根窯よりやや新しく、薄造り鉄絵の線も細く描かれ、赤織部が多く作られ、唐草文様などが鉄絵された志野織部の小皿と丸椀に優れた物があり、土は細かく良く焼き締まっています。

大富東釜(岐阜県土岐市泉町大富)
この窯は青織部の徳利が有名でアリ、元屋敷窯と比べると器種は少ないようで、土は粗くザラザラした感じがします。

御殿窯(妻木町御殿)
この窯は妻木氏の城下にある武家屋敷の一角にあり、妻木氏の御庭焼の窯と思われています。球種の唐津と同じ物を数多く作られ、織部のものは作行きも豪快であり、格調も高い物です。

太平窯(可児市太平)
この窯は元屋敷と同じ物を焼いていますが、土も悪く、作り、デザイン、文様等の格調が今ひとつの感じがします。

猿爪窯(瑞浪市陶町)
この窯は元屋敷窯より東におよそ15km離れていて、まだ良く分かっていない窯でアリ、赤土に白土・黒土を象嵌した鉢が描かれています。

大川窯(瑞浪市大川)
この窯では灰釉に織部釉を流し掛けした大鉢が多く焼かれています。

織部の焼き物は生まれた頃の物は、厚作りで動きが大きく、力強い作りのものが多く、美的にも優れた物を作っています。この織部独特の素晴らしさも、時と共に単純化、省力化などで次第に薄造りで繊細な感覚の物になってしまい、そして、作られなくなります。「織部のやきもの」は桃山時代の一時の夢のようでした。