初風炉の時季も終って、なんとなく、風炉の点前やら、約束事にも馴れてきますと、早や六月の声を聞く物です。
茶杓の要素としては、茶杓の形だけではなく、筒、箱書等も重要な要素になります。
茶杓の作られた年代は古く、茶の祖、村田珠光、武野紹鷗時代までさかのぼると言われます。r歴史的には中国より象牙の茶杓が伝わったのが起こりとされています。形は先が匙のような形で茶匙(さひ)と呼ばれています。
紹鷗時代のものは長さもかなり長く、節の無いものや、節が一番下にある止節の形が典型です。現在では無節のものは真の形で一般の茶会では使われません。それだけ形、長さが時代が古く格調高いと言うことです。次の利休の時代は、いわゆる茶杓の原型で現代まで受け継がれています。利休の茶杓は節が真ん中のところにある中節形、全体非常にスマートな形で節のあたりは腰が高くいわゆるアリ腰になっています。
茶杓の材質は後の時代になってきますと、竹の他、松、梅、漆、蒔絵等が乱れるようになります。古い茶杓は竹が大半で又竹ということが価値観のある物です。又宗旦の時代までは無地の拭きウルシの物が多く、今でもかなりツヤの良い物が残っております。一方、遠州、宗和の大名茶人の茶杓は侘びの中にさらに綺麗さを兼ね備え、遠州は竹自体、自然なゴマ等景色あるものを選び、宗和は上品かつ洒落た感じのするものが伝えられています。
次に茶杓は筒、箱書が重要です。筒は中味と同じ人で共筒、箱は筒により時代的に近い人、更に外箱も同系統の子孫があると理想的です。利休の頃の古い茶杓には共筒で無いものがありますが、少し後になって筒が作られている物もあります。これを追い筒と言います。また、誰かに送った物を贈筒等ありますが、これは現在のように、茶杓、筒、箱と一緒に作られた物ではなく、中味だけが、あるいは共筒までで、茶杓を紙で包むという古来の風習による物です。筒、箱の関係はあまり時代的に離れていないのが肝要です。いくら茶杓のみが素晴らしく、もっともらしい物でも筒、箱書等整っていませんと大変価値が違ってきます。
さらに銘のことも重要です。銘は歌銘、季節銘、賀銘、詩銘、無銘など数多くありますが、よろこびや季節にぴったりの物が理想的です。しかし古い物ほど良い銘や、銘の無いものが多く、却って無いものはそれだけ時代が古いと言うことで、濃茶に使われることがあります。又、扱いについても大事なことですが、茶杓の一番先のかいさきが割れていないか、筒の汚れ、墨書きのにじみ等が大事な見所です。又、同時に拝見、扱いの折には墨書のところ等絶対触れないことが大事です。
次に宗旦行こうには色々変化が出てきます。茶杓は無地、ウルシ拭きの時代が終わり、竹そのままや黒、赤、ウルシの上に蒔絵をほどこしたり、竹に彫を入れたりした物があります。茶杓の節も中節の他、節下り、二つ節、三つ節等が作られ、筒も時代を隔てた替筒や、二人以上同じ筒に入れる会所筒等、それぞれの茶会の趣で拝見できます。
味噌は、日本人の食生活に欠かすことが出来ません。
その伝来は中国や韓国など諸説ありますが、味噌が醸造され、店舗での販売を開始したのは平安時代と言われています。
そして、一躍脚光を浴びたのは、秀吉の頃からで、茶会に懐石という料理が登場したことに寄ります。以来、味噌の風味は茶人の趣味に叶って、茶の湯懐石の調味料として重宝され続けてきました。
一口に味噌と言っても、米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌とがあります。その中で出荷量が最も多いのは米味噌で、味噌全体の8割を占めています。東海三県で作られる豆味噌は全体の5%しかありませんが、豆味噌が懐石料理で果たす役割は大きいです。
| 種類 | 味・色による分類 | 主な産地 | 特徴 | |||
米味噌 (米麹使用) | 甘味噌 | 白 | 近畿、中国、香川 | 麹の割合が高く塩分は6%前後と低い。成熟機関も5~20日と短い。白はまろやかな甘み、赤は濃厚な甘み。 | ||
| 赤 | 東京 | |||||
甘口味噌 | 淡色 | 静岡、九州 | 暖かい地方に多い。麹の割合が比較的多く、塩分は淡色が9%、赤色が13%前後 | |||
| 赤 | 徳島 | |||||
辛口味噌 | 淡色 | 長野、関東 | 麹の割合は少なく塩分が12~13%程度。寒い地方で作られた保存性の高い味噌。成熟期間も長い。最近は辛みを抑えた中辛も多い | |||
| 赤 | 北海道、東北、北陸 | |||||
麦味噌 (麦麹味噌) | 甘口味噌 | 中国、九州 | 関東の麦味噌は主に大麦を、九州では裸麦を使う。麦味噌は一般に香りが良いと言われている。甘口の熟成期間は1~3ヶ月、辛口は3~12ヶ月で、塩分は12%前後。 | |||
| 辛口味噌 | 関東、中国、九州 | |||||
| 豆味噌 | 東海 | 大豆に直接麹をつける独特の味噌。暖かい地方には、珍しく辛口で、塩分は11%前後。赤だしに使われる味噌は米味噌と合わせている物が多い。熟成期間は1~3年。 | ||||
豆味噌の中で代表格と言えば八丁味噌です。八丁味噌は夏季の高温、高湿にも酸敗しない長期保存にも最も適した味噌です。
名将のもとには、必ずおいしい味噌があったと言われています。上杉謙信には越後味噌、武田信玄には信州味噌、伊達政宗には仙台味噌といった具合です。
製造工程の最初では、まず丸大豆のゴミと異物が取り除かれ、洗浄後は水に浸して水分を含ませます。水を切った大豆は大きな蒸し釜で蒸されるが、この作業が最も技術と経験が要求されます。白味噌は大豆処理の際に煮られるのに対して、赤味噌は蒸されます。高圧で蒸すと大豆は赤褐色になり、栄養分が逃げません。
蒸した大豆は玉握り機で手の拳大に握られ、味噌玉となります。そして、種麹散布機で味噌玉の表面に種麹をつけ、自動制麹装置室で豆麹をつくります。
味噌だけでなく、醤油・酒などはすべて麹の助けを借りて作られます。麹とはカビの一種で、生育の際に消化酵素を体外に分泌する性質を持ちます。米の澱粉を糖に分解したり、大豆のタンパク質や脂肪をアミノ酸や脂肪酸に分解したりします。
仕込む時、カビ自体は死滅しますが、酵素は働き続けるのです。この麹を大豆につけて生育させたものが豆麹、米につければ米麹となります。豆味噌は豆麹のみで仕込まれ、米味噌や麦味噌は、それぞれ米麹・麦麹と大豆とを合わせて仕込むことになります。
麹のついたみそ玉は、割砕され、水と塩を配合して撹拌機でかき混ぜられます。
最後に、大きな桶に味噌を仕込みます。桶の上には意思を積み上げて三年もの間じっくり寝かせます。
| 成分 | 起源 | 効用 |
| タンパク質 | 大豆 | コレステロールの低下、血管の弾力性保持 |
| ビタミンB1 | 麹菌 | 体内の酸化還元を促進 |
| ビタミンB12 | 最近 | 造血作用、神経疲労防止 |
| ビタミンE | 大豆 | 酸化防止、老化防止 |
| 酵素 | 麹、酵母、乳酸菌 | 消化を助ける |
| サポニン | 大豆 | 過酸化脂質の生成防止、血中コレステロール等の低下、 動脈硬化の防止、肝障害の防止 |
| トリブシンイン | 大豆 | 抗がん作用、糖尿病の防止 |
| ダイゼイン | 大豆 | 酸化防止、肩こりの解消、抗変異原性、乳がん予防 |
| ダイゼインコリン | 大豆 | 脂肪肝の防止、老化防止 |
| レシチン | 大豆 | コレステロールの低下、動脈硬化の予防 |
| プロスタダランチィンE | 大豆のリノール酸 | 高血圧の防止 |
| 色素 | 大豆 | 酸化防止、老化防止 |
| 食物繊維 | 大豆 | コレステロールの低下、大腸がんの予防 |
赤出し、と言う意味は、味噌を布巾で包み、だし汁の入った鍋のなかで溶かしだして、吸い物に仕立てた際に、八丁みそなどの豆味噌と甘口の白味噌を合わせてもちいたので、赤茶の色が付近から出る、と言うことに由来しています。
赤出し八丁味噌は、八丁味噌に特別仕込の米味噌を加えて調味した調合味噌のことで、代替半々に調合されています。
花入は茶花を入れるものです。
どこの茶会でも、床の間を始めに拝見します。あらたまった濃茶席では掛軸、墨跡が掛けられています。
そうなると、花入れは青磁、古銅が基本的です。 青磁は中国の南京時代(13世紀頃)のものが一番青釉が綺麗で最も貴重なものです。この頃の青磁は砧青磁と呼ばれます。形は真中より下の部分に従いふくらみのある砧形、中蕪、下蕪形等や、胴に7,8本スジのある笋形が中心ですが、あまり数はありません。
古銅は本来胡銅と書かれるのが正しく、中国の地名より取られています。胡というところで多く作られていました。形は中蕪、下蕪のものや、口造り柑子口などいろいろあります。また、耳は獅子、龍、管耳等があります。また肌を鑑賞することも大変重要で、見た目が透けた茶褐色のやわらかい肌合が見所の一つです。
同じ銅の花入でも夏の時期に使われる砂張釣舟形花入があります。砂張は朝鮮産と南蛮産の2種類に分けられますが、元々外国果物等の食器で使われた物を日本で茶道具に取り上げた物と思われます。砂張は正確には砂張銅といい、銅に銀や錫が混じった合金で、名品と言われる物は白や黄の光りかたが入り交じり非常にくっきり表れています。松本舟、淡路屋舟、ひらた舟など著名な釣舟花入が代表されます。
また、中国の明時代中期頃には盛盞瓶(せいさんぴん)と言う酒や水を入れた器が作られており、これもみたてで日本では花生に使われます。赤絵金襴手や、青磁に見られ、歌切や古画等の掛軸の前に置くと洒落た感じがします。また、これは共蓋をより珍重します。明の末期の頃には日本人好の染付、高砂が作られますが、紋様はおめでたい謡曲銘で、形は青磁や古銅の形よりとられています。
一方、日本の花入れは焼物に代表されますが、その中でまず近来特に人気の高い伊賀の花入れは天正頃城主、筒井定次が古田織部指導に従い焼かせた物です。筒井伊賀と呼ばれ、続いて藤堂伊賀が中心で、からたち、芙蓉、小倉、寿老人等代表される、火色、コゲ、ビードロや全体非常に力強い変化のある作行きが見所です。また、耳付のところも見逃せません。
一方、備前の花入も侘びには最高です。土はねっとりとした田土で全体発色の良い火色がかかり、黄味を帯びた榎肌やゴマ、また織部風の豪快な歪みや変化に富んでいます。他火色の少ない印部手や白他に火色のタスキがかかった火襷の手があります。
愛知県犬山市の木曽川河畔にある茶室である。
元は名古屋市堅三町にあった高松邸という建物である。それが、昭和60年に取り壊されると言うことになってしまった。その際にヤマザキマザックの当時の社長である山崎照幸氏によって移築再生されることになった。中村昌生氏の指導監修の元、建築は安井杢工務店、庭は川崎幸次郎という名工、名人の手によって平成2年4月に移築され、太郎庵の茶室に変わり復元された。
暫遊の名前は楽只斎松尾宗二が覚々斎から送られた号である。
敷地面積約8000坪のうち、延べ床面積194坪の建物は手斧造りの栗材の堀で囲まれ、門を入ると、玄関車寄から偕楽の間へと続く。主屋が二重畳、次の間が10畳で正面には1間半の床、床柱は栂(つが) の四方柾である。残りの一間を床脇とし、池袋月で、一重棚がある。鍋島の間は立札席となっており、床脇の吹抜に長さの不揃いの竹を並べて2畳の貫を通した手法に特徴がある。その他に、高取の間、萩の間、丹波の間、信楽の間があり、また2階には朝日の間、備前の間、楽山の間、瀬戸の間がある。
本玄関脇に、中庭に通じる路地門がある。腰掛待合があり、飛び石伝いに中滑りへと進み、蹲踞(そんきょ)、茶室「暫遊」へと導かれる。
1畳台目目2畳の客座と1畳に中柱を立てた台目構えの手前座を付した珍しい席となっている。
なお、偕楽の間から眺める中潜りと茶室の見える手入れの行き届いた中庭は、杉苔と四季折々の樹木の変化が堪能できる。
また、建物の西側には内玄関があり、苑路が施されて、木曽川の清流を後ろにして楓、梅、紅葉などが川面に彩りを添えている。
茶花は、美しい自然の花をそのままに、季節を表現して入れるのが良いとされています。それ以外にもいくつか要件があります。
・開きかけの蕾がよい。
・梅、卯の花、木瓜、雪柳、山朱萸(サンシュユ)、山吹、開花の花には木槿、芙蓉(ふよう)、桔梗などが良い
・花の向きとしては前向きが良い
・あまり器に丈高く入れない方が良い
・葉は葉裏を見せない方が良い。
・葉数は奇数を選ぶ
・汚れた葉は濡れ布巾で拭いてから刺す
・茶席の雰囲気を壊さない花を活ける
などです。
①菓子鉢を膝の前へ取り込み、亭主へ「お菓子をいただく」挨拶をしてから、右手で懐の懐紙を出します。
②身体の前で、左手をあしらい、本を開くように展ろげ、(1つの折り目が点前になるようにして)、菓子器の脇へ置きます。
正客は上座、次客以下は下座へ置くのが約束です。
③右手で箸を取り、身体の前で持ち直します。
④菓子を取って、懐紙の上へ出します。
⑤箸の先が汚れた場合は、懐紙の角で先を拭うようにします。
⑥身体の前で、再び箸を持ち直します。
⑦器へ戻してから器を隣りの客へ移します。
⑧懐紙ごと菓子を持ち上げ、食べやすい大きさに割って、口に入れます。
⑨食べ終わったら、懐紙を半分に折り畳み、右手で裁ち目の角を持ちます。
襟の間へ納め懐中します。
懐紙が汚れた場合は、その一枚を取り除いて裾に入れ放棄します。
普段だと、 一保堂さんとか妙香園さんとかを使っています。一保堂さんの初昔あたり、そんなに高くなくて始めやすいかと思います。 「買ったとしても茶筅が無いからお茶を点てられないよ」と言う人がいるかもしれません。ただ、道具を揃え出すと大変かも知れないので、無ければ箸でかき混ぜても味としては変わらないと思います。もう少し本格的にやりたいな、となったら購入すれば良いのでは無いかと思います。但し、萩などの茶碗を使うとき(特に高い物)は、茶碗を傷つけてしまうかも知れないので、茶筅を使わないといけません。 また、抹茶の健康成分を摂取するだけなら、ヨーグルトやミルクに混ぜたり、料理に混ぜることも可能なのでそのような使い方も良いかも知れません。 せっかくなので、簡単なお点前の抜粋版を書いておきます。コレ通りにやる必要は無いですが、一つ一つのお点前には意味があるので、ご参考にどうぞ。 ①お茶碗にお湯を注ぐ⇒お茶碗を温めつつ清める ②茶筅通し(茶筅をお茶碗の中で動かす)⇒茶筅の損傷が無いか確かめる ③お湯を捨てて、中を拭く⇒乾いていないと粉がダマになってしまう ④お茶の粉を入れる ⑤お湯を注ぐ ⑥茶筅でお茶を点てる と言った感じです。是非、ご参考にどうぞ。 |