2020年5月4日月曜日

利休七則

茶道・茶の湯の世界には、利休七則、と言う物があります。
読み替えれば現代社会でも役立つ言葉が沢山なので、ご紹介したいと思います。

利休七則
  1. 茶は服のよきように点て
  2. 炭は湯の沸くように置き
  3. 花は野にあるように生け
  4. 夏は涼しく冬暖かに
  5. 刻限は早めに
  6. 降らずとも傘の用意
  7. 相客に心せよ
分かるようで分からないですよね。1つずつ見ていきたいと思います。

1. 茶は服のよきように点て 

お抹茶の世界では、お茶は"煎れる"ではなく、"点てる" と言います。茶筅(泡立て器的なやつ)でシャカシャカすることですね。"服"と言うのは、飲むことなので、言い換えると、「お茶を作るのは飲むのに良い感じでやりましょう。」と言うことです。
 茶道のお稽古では、あれのお点前の次はこれでこれで…、とか、大体どのくらいのタイミングで客がお菓子を召し上がるからそれに合わせてこれで。とか言うのがあるのですが、実際にやるときはその時の客の様子だったり、釜のお湯加減だったり火加減だったりを考えながらベストなおもてなしをしましょう。と言うことですね。
 実際、正式なお茶会の中でも、客からお茶が濃いとか熱いとか色々あると薄めたり冷めるのを待ったり、と言うのが普通にあります。型だけの世界では無いのです。
 ただし、そう言うイレギュラーなやりとりをするためにも、基本の型を何も考えなくても お点前が出来て、それ以外の状況にしっかりと対応出来るような練習を積むことが必要になります。

2. 炭は湯の沸くように置き 

 炭はお茶を点てる上で大事なお湯を沸かすために使います。"置き"と言うのは、炭の置き方一つで火の周り方が変わり、お湯の沸くタイミングやその温度などが変わってきます。でも、恐らく茶道を多少聞きかじった程度では、炭の置き方(継ぎ方)に作法があることも知らないと思いますし、お茶室独特の香りの秘密が炭と香によって生まれていることも知らないと思います。大事なんですが、表に出ない作業なんですね。つまり、
「客の目に見えないような炭継ぎも、お湯がしっかり沸くようにやりなさい。」
と言うことなんですね。


3. 花は野にあるように生け 

 お茶会を開くときには必ず床の間にお花を生けます。これを野にあるように生ける、と言うのは複数の意味を持っていますが、読んでそのままの、「その辺に咲いてるそのままで生けろ」と言う訳(だけ)ではありません。特に現代のお点前で大事なのは、
「自然界に無いようなモリモリに盛ったお花を生けてはいけないよ。」
と言うことです。現代華道はどうしても、華美なものの方が'映える'ので、そうなりがちですが、お茶花というのはそう言う物ではなく、落ち着いた物の方が良いのです。
それでいて、野にあるように、"今が旬の花"を丁寧に生けるのが良いのです。そして、客としては、「あれ、これってこの辺りだとつい最近咲き始めたお花だけど、ひょっとして今日開花するように準備してました?」みたいなふうに、亭主の気遣いに気づけると良いと思います。


4. 夏は涼しく冬暖かに 

当然、利休が生きていた時代にはエアコンなどありません。でも、夏は涼しく、冬は暖かく感じるような気遣いが必要なのです。例えば、夏には打ち水をして涼しくしたり、冬は帰宅前に羽織りを暖めておく、などです。それ以外にも夏はガラス製の水指を道具として使ったり、冬は暖かい色の出し帛紗を出したりと目で涼やかさや暖かさを出すなど、色々考えられます。
 とてもメジャーな所で言うと、お茶の世界では、"夏茶碗"、"冬茶碗"と言うのがあります。夏茶碗はご飯茶碗のような形をしていて、口が広く浅いためすぐにお茶がぬるくなり、夏にお茶が飲みやすくなります。逆に冬茶碗は所謂湯飲みのように口が小さく深いので長い間暖かさを保つ事が出来ます。
 エアコンが無いから涼しく出来ない、と言って諦めるのでは無く、気遣いでそこをカバーする、と言うのが大事と言うことです。とは言え、現代の暑さはエアコン無しでは乗り切れないのでうちのお茶室にはエアコンついてますが。  

5. 刻限は早めに 

つまり、「時間に余裕を持とう」と言うことですね。時計もスマホも無い時代、お茶会のお誘いをして、客が早く来てしまい準備が出来ていなかった、客が遅刻してしまった。と言うことが多かったのかも知れません。
 亭主側からすれば、時間に余裕を持って準備をすれば、それだけしっかりとおもてなしの準備が出来ますし、客が時間に余裕を持って到着すれば、それだけ亭主がベストのタイミングでお湯を沸かすための準備などをすることが出来るわけです。(正式なお茶会では、現代の結婚式のように客が来たら待合室的な所で待つので、早く来てもらう分には割と時間調整できるのです。)

6. 降らずとも傘の用意

そのまま、「雨が降らなくても傘を用意しよう」と言うことですが、どういうことかというと、客をもてなしている間に雨が降ってくると帰り客がぬれてしまうので亭主が傘を用意しておくことを表しています。
 昔は折りたたみ傘も無かったですし、天気予報も無かったので、突然の雨が降り出すと困ってしまうのでおもてなしに集中して貰えず残念なので、それを避けるために準備をしておこうというお話です。


7. 相客に心せよ

お茶会では大抵、客は複数人います。正客と言われる客側のリーダー的な動きをする人とそれ以外の人がいるのですが、それは一旦置いておいて、同席した客をお互いに相客と言います。
 本来亭主が客をもてなすのがメインとなるお茶会ですが、客同士でも気を使い、より良いお茶会にしましょう。と言う事です。

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