2020年6月21日日曜日

含山軒

含山軒

滋賀県長浜市にある真宗大谷派・長浜別院「大通寺」は、歴史が古く、長浜を中心とした湖北地方の振興と伝統の要となる寺院である。7000坪もある境内には、文化財の宝庫と言われるほど国の重要文化財や件文化財、市文化財の指定を受けた建築物が多い。県内屈指と言われる総ケヤキ造りの山門は重層で、脇門も桃山時代に作られた斧で、旧長浜城の大手門と伝えられている。

重要文化財の大通寺客室は、多少数寄屋風を加味した書院で、蘭亭と含山軒があり、江戸時代初期から中期に建てられた。蘭亭の名は、円山応拳筆による蘭亭曲水宴図の襖絵から取っていると言われ、含山軒の名は、伊吹山が正面に見えることから付けられたという。

含山軒の一の間は、狩野山雪筆の山水画が描かれている。茶席は三畳台目で、床の間は、いわゆる原叟床の形を取り、床柱は角材となっている。極めて変わった形式で、客畳二畳の上が平天井、点前座の上が落天井になっていて、茶道口上の天井は床の間との関連上、一段と高く作られている。

点前座の西は四尺五寸ほどの連子窓となっており、風炉先窓は茶道畳前(北)にある。それに続いてにじり口がもうけられ、そのすぐ右に連子窓が柱いっぱいに開けられている。部屋の一番東(客畳後ろ)に三尺二本引きの襖が入れられていて、一の間から入ることも出来るようになっている。東本願寺の長浜別院としての茶席であり、どことなく気品高い構造のあとがうかがわれる。一の間からは、庭の向こうに、伊吹山がその秀麗な姿を正面に現しているのが望める。この庭は小堀遠州の高弟の作と伝えられている枯山水の庭で、空地には中島を置き、石橋を架け、歩石を配している。つまり、伊吹山を借景に取り入れているわけで、冬に息吹の峰を白く飾る雪も、庭の大切な景観となっている。

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